アルコール依存症について ...


✓ アルコール依存症とはどんな病気か?


お酒の飲み方のコントロールが効かなくなり、 いろいろな問題が起こってくる病気です。
脳のごく一部分の障害であると考えられています。

「意志が弱い」とか「だらしがない」ということではなく、
れっきとした病気であることを知ってください。
この病気は生涯にわたって治ることはありません。
つまり、長期間断酒したとしても、少ない量を上手に飲めるようにはなりません。
しかし、飲酒をやめ続ければ、健康な生活を取り戻すことができます。

栃木県立岡本台病院 アルコールセンター発行・ 『アルコール依存症の理解より 平成14年6月1日 第三刷』第一章より抜粋
この資料の続きはこちらのリンクを御確認ください。
アルコール依存症の理解より_栃木県立岡本台病院.pdf


✓ アルコール依存症の治療

○通院 ○服薬 ○自助グループ
これがアルコール依存症の「治療の3本柱」と言われています。
上にも書いた様に、飲酒をやめ続ける =「断酒」が唯一の治療です。

節酒・減酒を自分の意志だけで続けることが出来ますか?
アルコール依存症になるとこれが出来ないのでち続けることが治療のために重要です。

✓ 誰も認めたがらない病気

アルコール依存症は、病気になった本人も、その家族も「アルコール依存症」に
なった事を認めたがらない病気です。そのため、「否認の病気」と言われています。
<本人>お酒が飲めなくなるので「アルコール依存症」だと認めません。
<家族>世間体が悪いので「アルコール依存症」だと認めません。

少し考えてみてください。
おそらく本人は、身体の不調の原因が酒であることを分かっていて、
お酒を飲み続けていますよね? そのまま飲み続ければ、最後は命を落としますよ。
「酒飲んで死ぬなら本望だ!」なんて言っていませんか? 本当に???

確かに、世間的に誤解され易い病気です。世間体が悪いと思うかもしれません。
でも、お酒が原因で様々なトラブルが起きることになります。
家族を失う、友人を失う、仕事を失う、、、世間体はもっと悪くなります。
飲酒運転での交通事故、、、もう世間体の問題では無くなります。

そんな事は言われなくても、、、と思うかもしれませんが、
アルコール依存症者が酒を飲んでいるときの、最優先事項は「酒」です。
善悪の判断は出来ていません。良心のかけらさえも酒に流されています。
家族からすれば、「死んでしまえ!」と言いたくもなるでしょう。

今、身の回りにおきている様々なトラブルは、お酒で解決できますか?
様々なストレスの解消のために、お酒から逃げられなくなる話はよくあります。
ただ、今そのお酒はストレス解消になっていますか? 逆になっていませんか?

アルコール依存症は「断酒」しか回復の方法がないと言われています。
精神的にも身体的にも追い詰められて酒に飲まれる自分とは、もう決別しましょう。
お酒がなくても楽しい生活、自分で見つけないと、誰も教えてくれませんよ。
まずは断酒会で「断酒」のコツをつかみましょう。

おまけ、、、「酒は百薬の長」、この文章の続きを御存知ですか?
「酒は百薬の長とはいえど、万の病は酒よりこそ起れ」だそうです。
(吉田兼好「徒然草」175段より)もとは中国・漢書を引用した文章の様ですが、
今から数百年前には、既に酒の悪影響が認識されていた様ですね。